2009年11月2日月曜日

秋の信濃路ドライブ紀行 第1日

今回は信濃路に茸取りと観光そして温泉を目指して関越高速道から上信高速道をひた走り信州の佐久平へ向かいました。
横川サービスエリア手前では、右手の山は黄色と赤の紅葉が始まり、左前方には荒々しい山容をした妙義山が腰をすえています。
佐久のインターで高速と別れ、地元の茸取りの案内役をしてもらえる人と合流しました。
案内役の方の農地では、丁度稲の刈り入れ中とのことなので、小高い山を登り、刈り入れの現地に立ち寄る事となりました。
この耕地では20~30本の稲が一つの束になっており、これを鎌で刈ると気持ちよく切り取ることができました。
乾いた田には、刈り取られた稲の跡が、ポコンポコンときれいに等間隔で並んでいます。
刈り取った稲は、横に渡した棒に7対3の割りに、またがせて21日間天日干しをするのだそうです。何と一粒のお米から一本の稲に130粒ほどのお米が実るのだそうです。
今年は雨が少なく、田は乾燥しており暖かな日差しと、少し冷たい爽やかな風を受けて、短時間でのミニミニ農業ができたのは、私にとってラッキーな初体験でした。
次に車で移動し、モギヤマ峠付近?に車を止めました。
道脇のカラマツ林の柔らかな土を踏みしめて行くと、草や枯れ枝、マつぽっくりの中に隠れるように、全体が黄色をした、かわいいキシメジが見つかりました。
また、同じような所に、茶色の帽子をかぶった、リコボウという茸も見つけることができました。
周囲は静かで風の音とともに、カラマツの葉でしょうか、ハラハラと枯葉が舞い落ちてきます。
次に車を走らせると、すぐに止まり案内役が降りると、何とそこにはすぐ道脇に大きなクリタケが生えていました。今年は雨が少ないため茸は不作とのことでした。
帰路の山中では、周辺の小高い山々を背景に、白樺林と色好き始めた紅葉の素晴らしいコントラストの景観を楽しむことができました。
今日の泊まりは春日温泉の望月荘であり、温泉はかけ流しの広い浴室にどっぷりと浸り、透明な温泉は、肌を撫ぜるとすべすべとした感じで、生き生きとした滑らかな肌触りになっていました。

秋の信濃路ドライブ紀行 第2日

翌日は朝風呂に入り、すっきりした気分で、車に乗り込み旅館を後にしました。
青空の下、車窓よりたわわに実るリンゴや柿の木々を眺めながら、別所温泉の無言館を目指して走りました。
この無言館は、戦争にかり出されて無言のまま帰らぬ美術学校の学生達の遺作を展示しているところです。
建物の内部は、打ちっぱなしのコンクリートで質素にできており、壁には学生が描いた自画像・裸婦像・風景画、自刻像などの原画が掲示されています。
20代の画学生達の遺作を見るにつれて、志を半ばにして散っていった戦争という痛ましい状況を思い起こし、胸の痛みを感じざるを得ませんでした。
次には、珍しいクルミのオハギを味わうため、由緒ある前山寺へ向かいました。
この寺は有料で、境内には国の重要文化財の三重の塔が建っています。
この三十の塔は、室町時代に立てられたものです。高さは19メートルほどで、回廊や窓などがないのが特徴で、変化と調和にとんでいるため、未完成の完成した塔とも言われているのだそうです。
藁葺き屋根の本堂にお参りし、庫裏の座敷で予約制の名物のクルミのオハギヲ味わうことができました。
次は、別所温泉の名勝の一つで、善光寺と向かい合っているといわれる北向き観音に向かいました。
普通の寺院は南向きに建てられますが、この観音堂は北向きであり、南面している善光寺と向かい合うように建てられているのだそうです。
この境内には、何と温泉の御手洗い所があり、暖かな温泉で手を濯ぎ身を清めることができました。
北向き観音堂に安置されている本尊は、千手観音菩薩であり、南向きの善光寺は阿弥陀如来です。
北向観音は善光寺と相対しているため、善光寺と一体となっており、善光寺詣でだけでは片参りと言われています。
また、来世の往生の善光寺に対して、北向観音は厄除け観音としても知られているように、現世のご利益を願うところとなっています。
北向き観音堂を参拝後には、片参りを避けるため一般道を経て、長野の善光寺詣でに向かいました。
この信州の善光寺は、一光三尊阿弥陀如来様を本尊として、創建以来約1400年にわたって、庶民の心の拠りどころとして信仰を得ている古刹です。
特定の宗派に属さず、あらゆる人々が参拝できる無宗派の寺院として知られています。
現在の善光寺本堂は、1707年に再建された江戸時代中期を代表する寺院建築として国宝に指定されているものです。
本堂参拝後に、初めてお戒壇巡りを体験しました。
これは内々陣の奥の右側を進むとお戒壇巡りの入口があります。
階段を数段下り本道の床下のあたりの真っ暗な幅1メートルほどの回廊を、手探りで巡り、中程に懸かる「極楽の錠前」に触れることで、錠前の真上におられる秘仏の御本尊様と結縁を果たし、往生の際に迎えに来ていただけるという約束をする場だそうです。
黄昏迫る善光寺を後に、長野から上信高速を経て、余り渋滞にも巻き込まれることなく関越道に入り帰路につくことができました。