2009年8月1日土曜日

映画 《剣岳 点の記》を鑑賞して

先日シネプレックス若葉で上映中の新田次郎原作の《剣岳 点の記》を見に行ってきました。
当日は平日のため、すいていると見込んで午前の第1回の上映にあわせて出かけてみましたが、何と7~8割の席が埋まるほどの盛況でした。
この剣岳は、2999メートルの岩峰で、弘法大師が3000足のわらじを使っても登れなかったという伝説があり、地元では登れない山、登ってはいけない山と信じられていた未踏峰の山でした。
明治40年に、陸軍の陸地測量部が中部山岳地帯の地図上の空白地点の山に三角点を設置し、日本地図を完成させる目的で、苦難と戦いながら測量を遂行してゆく物語です。
今回は音声ガイドはついていませんでしたが、ストーリーや情景描写などは、ほぼ理解することはできました。
私は15年ほど前に、この立山連峰の雄山から大汝山・藤の折立・真砂岳・別山・御前小屋を経て、剣山荘で宿泊し、翌日剣岳を目指しました。
一服剣を超えて、狭い切り立った岩稜を足のすくむ思いでたどり、前剣まで歩を進めることができました。
同行のサポートからの周囲の状況説明を受けながら、慎重に足を運び、岩をかむ山靴の音を聞きながらの行動は、緊張の連続だったことを思い起こしました。
また、一息入れる休憩時には、爽やかな風を感じながら周囲の風景を説明してもらい、自分なりの風景をイメージして、その場の雰囲気とともに楽しむことができました。
当日は快晴に恵まれて、この前剣の山上からは、富山湾をはじめ、能登半島まで望めたとのことです。
この映画の対話や効果音などからのイメージとして連想する剣の情景と、全く見えない私がたどった剣岳の厳しい登山の実感を重ねあわせた時、映画の進行とともに強い感動を受けました。

0 件のコメント:

コメントを投稿