2009年11月2日月曜日

秋の信濃路ドライブ紀行 第2日

翌日は朝風呂に入り、すっきりした気分で、車に乗り込み旅館を後にしました。
青空の下、車窓よりたわわに実るリンゴや柿の木々を眺めながら、別所温泉の無言館を目指して走りました。
この無言館は、戦争にかり出されて無言のまま帰らぬ美術学校の学生達の遺作を展示しているところです。
建物の内部は、打ちっぱなしのコンクリートで質素にできており、壁には学生が描いた自画像・裸婦像・風景画、自刻像などの原画が掲示されています。
20代の画学生達の遺作を見るにつれて、志を半ばにして散っていった戦争という痛ましい状況を思い起こし、胸の痛みを感じざるを得ませんでした。
次には、珍しいクルミのオハギを味わうため、由緒ある前山寺へ向かいました。
この寺は有料で、境内には国の重要文化財の三重の塔が建っています。
この三十の塔は、室町時代に立てられたものです。高さは19メートルほどで、回廊や窓などがないのが特徴で、変化と調和にとんでいるため、未完成の完成した塔とも言われているのだそうです。
藁葺き屋根の本堂にお参りし、庫裏の座敷で予約制の名物のクルミのオハギヲ味わうことができました。
次は、別所温泉の名勝の一つで、善光寺と向かい合っているといわれる北向き観音に向かいました。
普通の寺院は南向きに建てられますが、この観音堂は北向きであり、南面している善光寺と向かい合うように建てられているのだそうです。
この境内には、何と温泉の御手洗い所があり、暖かな温泉で手を濯ぎ身を清めることができました。
北向き観音堂に安置されている本尊は、千手観音菩薩であり、南向きの善光寺は阿弥陀如来です。
北向観音は善光寺と相対しているため、善光寺と一体となっており、善光寺詣でだけでは片参りと言われています。
また、来世の往生の善光寺に対して、北向観音は厄除け観音としても知られているように、現世のご利益を願うところとなっています。
北向き観音堂を参拝後には、片参りを避けるため一般道を経て、長野の善光寺詣でに向かいました。
この信州の善光寺は、一光三尊阿弥陀如来様を本尊として、創建以来約1400年にわたって、庶民の心の拠りどころとして信仰を得ている古刹です。
特定の宗派に属さず、あらゆる人々が参拝できる無宗派の寺院として知られています。
現在の善光寺本堂は、1707年に再建された江戸時代中期を代表する寺院建築として国宝に指定されているものです。
本堂参拝後に、初めてお戒壇巡りを体験しました。
これは内々陣の奥の右側を進むとお戒壇巡りの入口があります。
階段を数段下り本道の床下のあたりの真っ暗な幅1メートルほどの回廊を、手探りで巡り、中程に懸かる「極楽の錠前」に触れることで、錠前の真上におられる秘仏の御本尊様と結縁を果たし、往生の際に迎えに来ていただけるという約束をする場だそうです。
黄昏迫る善光寺を後に、長野から上信高速を経て、余り渋滞にも巻き込まれることなく関越道に入り帰路につくことができました。

0 件のコメント:

コメントを投稿