2010年12月23日木曜日

熱海海岸 冬花火

東京駅を定刻にスタートしたスーパービュー踊り子7号は、コンクリートジャングルを抜けて、カタん、コトンと快い、あの列車独特の振動とともに一路湯の町熱海へ。この車両は10両編成で、最前部と最後部は展望車となっている。ラッキーにも我々の指定席は最後部1番のAB席であり、運転室の車掌さんが車内アナウンスのさい、たまににらめっこ状態となるどが、少し気恥ずかしい感じである。また、この車両は、2階建てで1階はキッツルームと車椅子用個室となっており、指定席は2階のみである。小田原付近では、小春日和の中、穏やかな青い海が見え、山側には紅葉の木々が鉄路とともに、ワイドな車窓から後方へと飛び去ってゆく。今回の旅の主役は、車椅子使用の女性であり、ぜひ熱海での冬の花火を見てもらおうとの配慮から計画されたものである。東京駅での車椅子のホーム間の移動は、駅員の誘導により貨物運搬用通路を通り、業務用エレベータでホーム上へ案内された。近代的施設の裏側をちょっとかいま見た感じである不景気で、かつ人気の落ちたといわれていた熱海も、どこえやら駅前は観光客で大賑わいである本日の目的であるホテル後楽園にチェックインした。しかし、ホテル側の手違いにより、我々の部屋はみさき館の山側に近く、花火が見えにくいため、ホテル側の計らいでタワー館14階の部屋を花火の際に借用してよいとのこととなった。このタワー館14階の部屋は、大きな窓の向こうは海に面しており、花火を見るには絶好のロケーションである8時過ぎには、待ちに待った花火が、連続的に暗い海上と空に打ち上げられ、色とりどりの大輪の花を咲かせている。三方が山に囲まれているせいか、部屋の窓を通して間近に打ち上げられる度に、体にずしんと響くような大きな音と振動が伝わってきて、何ともいえない迫力を感じざるを得ない。時にスポンサーつきの花火が上がり、最後には海上から一列に金銀青赤などの花火がワイドに打ち上げられ、明るく輝くナイヤガラの滝をイメージした光の競演を最後に幕となった。30分という短い時間ながら、絶え間なく打ち上げられる冬の海上花火は見ごたえ十分であり、また、暖かな部屋の窓から繰り広げられる光のイベントを見られるのは贅沢な限りれある。翌日は、ゆっくりとホテルを出て、無風で暖かな陽気の中を、親水公園脇の遊歩道を車椅子とともに、金色夜叉よろしく熱海の海岸散歩して、お宮の松や、貫一お宮の像を見た後、午後のスーパー踊り子で思い出の1ページを加えて再び東京へ。

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